平成27-29年度科学研究費補助金(基盤研究(B))
「近畿方言における配慮表現の研究」
課題番号:15H03211
研究代表者:岸江 信介(徳島大学)
研究目的
本研究では、近畿方言における配慮表現の特徴について、以下の 3 点を明らかにする。
(1)近畿方言には、京阪方言のように複雑な敬語体系を有する方言と、
無敬語に近いとされる方言が存在する。これら敬語体系を異にする
方言間では、配慮表現においても有意な差がみられる、というのが
本課題の仮説である。近畿地方の中で敬語体系を異にする方言間に
おいて、配慮表現のバリエーションにどのような差が見出せるのか、
このことを明らかにすると同時に上記、仮説の検証を行う。
(2)対人コミュニケーション上の働きかけには、地域差はもとより、
男女・世代・学歴などの社会的属性による差のほか、場面差が大
きく関与する。配慮表現に関する調査を通じて、その特徴を浮き
彫りにする。
(3)発話行為の運用面や機能面の観点から、近畿地方での配慮表現の
地域差を地理的に解明する。